誇りとするもの
聖書箇所 マルコによる福音書10章23-31節
それから、イエスは見まわして、弟子たちに言われた、「財産のある者が神の国にはいるのは、なんとむずかしいことであろう」。 マルコによる福音書10章23節
1.富か神の国か
イエスさまは「富んでいる者が神の国に入るのは難しい」と言われました。当時のユダヤの人々は、富こそ神さまの祝福であり、富んでいる者が、神の国に最も近いと信じていました。弟子たちも同じでした。そこでイエスさまはそんな弟子たちの世の常識的な思い込みを、あらためさせようとしてこのように言われたのでした。
2.自分を誇るか主を誇るか
当時、富んでいる人は人の目にふれるようにして、献金箱に多くの献金を投げ入れていました。そしてその行いでますます祝福されると考えていました。しかし神さまの祝福は人の行いの結果で与えられるものではありません。神さまの一方的なあわれみによるのです。神さまの前に自分を低くして、常に神さまへの感謝があるかが大切なのです。富があるかないかではなく、自分を誇っているか神さまを誇っているかが問われています。イエスさまは弟子たちがこのことをよく理解できるようにと導いておられました。
3.世の安定か霊的祝福か
イエスさまは「家族と一切の関係を絶ち、持ち物を手放さなければ、神さまの祝福はない」と教えておられるのではありません。 変わりゆくこの世のものを拠り所とせずに、変わることのない神さまに頼る思いが大切だと解いておられたのです。世のものだけに安定を求めると、結局はそれを根拠に自分を誇り、自分を高ぶらせていくことになります。人の本当の安定と祝福は、目には見えなくても確かにおられる神さまの御手の守りと導きの中にあるのです。
2024年11月10日 週報より